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つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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GrahamはFrankfaterの夢を見るか? その4

思想・良心の自由と教育的措置

「生憎と…そういう皮肉よりも鳥肉のほうがオレ個人としては好みなんですがね」
「身になる話をしようと? おまえらしい遠回りな言い回しだね、アンジー」
「だってさ…酒やタバコはいってみれば社会の必要悪じゃない?
未成年ポルノとは違うと思うけれど!」
「それをどうやって証明する?」
「え、だってそんなの自明の理じゃ…」
「『自明の理』! 成程! では『自明の理』であることをどうやって証明する?」
「…証明というほどではないがね! 成長過程にある未成年に男性器女性器のイラストや写真を用いて性教育することが不適切だとこの国の国会議員が主張し、実際廃止されたのと同程度の妥当性を信じているよ!」

「『同程度の妥当性』だって? 本当は信じてなどいなくせに?」
「皮肉は貴殿だけの専売特許じゃないんですよ、判事殿」
「成程ね! だか皮肉なことに、問題はまさに今のその発言の中にあるんだよ…アンジー。『成長過程にある未成年』と言っただろう? できあがってしまった成年者がどんな思想信条をもっていようとそれは個人の自由であり責任である。
たとえ未成年ポルノを愛読していようともね」

「日本国憲法第十九条【思想及び良心の自由】
 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

くらいはオレも知ってるけれどね! だけどあれは…いわゆる<思想犯>をなくすための条文ではなかった?」
「それだけじゃなく! もっと現実的な法解釈とその運用という意味で…もしも社会的に好ましくないことを思っただけで人が罪に問われるのなら、ボクだって『父親を殺したいと思った罪』に問われなければならないだろう?」
「ハン! イエスいわく、『汝らのうちで罪なき者はこの女に石を投げよ』ってやつか」

「…そう、大人の場合はね! けれども未成年はこれからまだどう伸びるかわからない若い芽であるし、有害な思想を即実行に移さないための自制力に問題がある。だから、『有毒』なものはつとめてこれを排除しよう、という思想が根っこにあるんだよ」
「逆だろう! 『成長過程の未成年』だからこそ、公教育できちんと性について学ぶべきじゃないのか? 自分の性器すらろくに見たこともない女の子が、悪い男に付け込まれて泣きを見るんじゃないのか?」
「またえらくフェミニンになったものだね、アンジー」
「女のことで先を越したからっていい気になるんじゃねえよ、ア・ニ・キ!」


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